板金部品を設計する場合、ねじ穴(タップ)を作ったり、表面処理をすることは多いと思います。
メッキ部品であれば、膜圧が薄いためねじ穴(タップ)部の処理はあまり気にすることはありません。
しかし、塗装部品の場合は違います。
タップ部に塗装がかかると、ネジ山に影響が出るため、ネジの入りが渋くなったり、最悪入らなくなったりします。
この辺りの図面指示について、どうするべきか少し考えてみたので、考えをまとめておこうと思います。
塗装品のネジ穴(タップ加工部)の仕上げとしてはどんな方法が考えられるか
基本的には、下記のどれかになるんじゃないかなと思います。
- タップ部も気にせず塗装してしまう
- 塗装時、タップ部分はマスキングして塗装する
- 塗装後にタップ処理をする
- 塗装前にタップ処理。マスキングせず塗装。塗装後、必要な部分はタップを切り直す(再タップ)
どれが良いのかわからないところもあるので、餅は餅屋ということで、親身にしている板金屋さんにも話を聞きつつ考えてみました。
本記事は、ハードウェアスタートアップなどで聞く人がいないというパターンの人などの参考になればと思ってます。
マスキング後に塗装が、コストも安いし、傷もつきにくくベスト
「タップ部も気にせず塗装してしまう」というのがもちろん最もコストが安いです。
ただ、呼び径の小さいねじは塗膜の影響が大きく、ネジが入らなかったりきつくなったりします。
ですので、基本的にはなんらかの処理をしてネジ部をいかした方が良いのかなと思います。
(実際、自分はめちゃくちゃ渋くて困ったことがあります)
↑塗装の入ったネジ部。
餅は餅屋ということで、板金屋さんに話を聞いたところ「マスキング後に塗装」がコストも安くなるし良い、ということでした。
(穴の数など、状況によって変わるとはおもいますが)
再タップや塗装後タップもありではあるが、やはり作業中外観面への傷のケアなどもしないといけないので、推奨はしないという感じでした。
図面指示はどうするか
備考欄などに「ネジ部(タップ部)は要マスキング」のように書いておけば良いかと思います。
さいごに
すごく初歩的な内容にも見えますが、意外と迷ったりすることも多いものですよね。
特に、業界によっては外観部品はほとんど樹脂部品なので、板金に塗装をするのが珍しいということもあるでしょう。
少しでも参考になればと、備忘録的に書いてみた記事でした。
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