Google Home miniを分解【動画あり】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります

今流行りというか、これからどんどん増えるであろうスマートスピーカー。

勉強の為に、Google Home miniを分解して機構を観察してみました。

SoCや各種電気部品の情報はiFixitの方が詳しいと思いますので、ここでは機構設計者の視点から組立・構造を中心に見ていこうと思います。

目次

Google Home mini分解参考記事

参考Google Home Mini Teardown - iFixit

参考Google Home Mini teardown, comparison to Echo Dot, and giving technology a voice

分解前に一通りこちらの記事に目を通してから分解を開始しました。

Google Home miniの分解

分解の過程と写真を公開します。動画は、記事の最後にまとめて掲載します。


底面のゴムを外そうとしたところ、接着剤が強く全く外れそうにありません。そこで、参考記事にあるとおり5分ほど温めてみました。ましにはなりましたが、それでも強力でした。コツをつかめず、ゴムを引きちぎってしまいましたが、なんとか剥がれました。


ゴム裏の両面テープの基材は、結構硬くて厚めの感じでした。


底面に初期化ボタン用の加工が見えます。底部品と一体化していますね。トルクスのT6でした。なお、今後もネジ止め箇所がでてきますが、一箇所T10だったのをのぞくと全てT6でした。


開くと、電源のmicro USBコネクタと、マイクミュートのスライドスイッチがのった基板が、筐体内側の基板とFPC繋がっていました。


FPCを外した底部品の写真。ネジ3点で底板のボスととまっています。


マイクミュートのスライド部分は、「スライドスイッチと繋がる部品」「抑え部品」の2部品構成でした。


抑え部品とスライドスイッチが擦れそうな面は、まあまあ磨いてありました。


本体側の分解を進めていきます。銀色のねじ4箇所を外します。ここがトルクスのT10でした。


外れたのはスピーカーボックスでした。スピーカーの配線が内側の基板と繋がっていました。


スピーカーボックスは綺麗に密閉されていました(多分上下部品を溶着)。スピーカーもEcho dotと比べると大きいのを使っている感じですね。Google home miniの方が音出ている感じはしていましたが、納得ですね。


さらに分解を進めていきます。ねじ4箇所を外します。左側に見えているFPCは、電源基板と繋がっていたFPCです。


面白い部品が取れました。表面はこんな感じです。真ん中のトンガリは、スピーカーの音を360度に広げるデフューザーですね。


裏面はこんな感じ。Thermal pad(熱伝導シート)が貼ってあり、ここを基板のシールドにあて、放熱面積を広げて熱対策をしているようですね。Echo dotも同じような構成で熱を逃していたので、スマートスピーカーは熱が結構しんどいのでしょう。

あと、銀色の部分は金属(アルミっぽい)、黒い部分は樹脂のようでした。一体化されていたので、アウトサート成形のようですね。一部樹脂にしたのは、PCBのBluetoothとWifi antenna用に電波を通すためのようですね。


また、この部品の両側面には薄い板金部品が取り付けられています。この板金部品は、アルミ部分と絶縁するかのようにプラスチック部に位置決めピン+両面テープ(たぶん)でとまっているようです。

参考記事によると、これはどうもボリュームコントロール用のサイドタップ検知センサー(静電容量センサー)のようです。基板側には金属のパッド部分に板バネで当てているようです。

また、側面に出ている検知部分は、筐体に近くないといけないですから、ぴったりとシェル側にあてて検知できるように、ガスケット+両面テープで取り付けられている様子です。水分やらで誤動作しないように、筐体内側にはカプトンテープも貼られており、そこに金属板を押し付けるような構造になっています。


メインの基板はこちらです。ボトムポートタイプのmemsマイクも2個、こちらに乗っていますね。


外した写真がこちら。memsマイクのポート周りには、防水両面テープのような粘着性の高いものがついていて、これで筐体穴までの部分をシールしているようでした(片側無いように見えるのは、筐体側に張り付いたからです)。

真ん中の4つの穴には導光部品が入っており、4つのLEDの光をひろいます。板金部品はトップタップ用の静電容量センサーで、板バネでPCBに繋がっています。板金の筐体へのとめ方は、ピンで位置決め、両面テープで接着のように見えました。

板バネを当てるPCBの上には導電性のメッシュ部品のようなもの(参考記事では、steel woolと言っている)もついています。参考記事では、板バネの疲労とか公差を拾う為と書いてますね。

タップで板バネが動く訳では無いし、弾性限度内の変形で当てておけば板バネの疲労は大丈夫な気がするし、やはり組立誤差を拾うためかな。でも、それならPCBの当て部分を広く取れば良い気もする(アートワーク的にできなかったのかもしれないですが。)

memsマイク部分の構造


memsマイクの部分には、粘着性のガスケットに加え、保護膜も入っていました。Goretexとかにある、e-PTFEの保護膜っぽいですね。おそらく、このmemsマイクポート部分に限っては、ホコリだけでなく水も混入しないでしょう。

ファブリック部分の構造


ファブリックをかぶせる設計も最近流行しているので、少し気になってバラしてみました。ファブリックの筐体への取り付け方は、筐体内側に少し巻き込み、その部分で両面テープで接着しているようにみえました。


ファブリックを全部剥がした物を組み立てるとこんな感じ。スピーカーの音をデフューザーで360度に広げた後は、このスリット部分から外へ出ていく設計なのでしょう。上面はタップ検知の静電容量センサーやmemsマイク、LEDがあるので開口は無しですね。

ファブリック外すとオシャレ感は皆無になりましたが、これはこれで謎の筐体感がありカッコイイ気もします。

Google Home mini分解動画

写真だけで全てを伝えるのは厳しいので、動画にしました。これを見れば、自分でも後で構造をより思い出せます。

全編

だらだらと分解しているので長いです。全体組立構造把握にどうぞ。

底面ラバー

底面のラバーです。ゴム裏のPETフィルムみたいなのがあり、結構硬いです。

電源マイクロUSBコネクタ/スライドスイッチ部

マイクミュートのスライドスイッチは二色成形ですかね。

シンプルにまとまったスライドスイッチ部。

スピーカーボックス

スピーカーユニットはecho dotと比べると大きめです。スピーカーボックスは、きれいに密閉されています。超音波溶着とかですかねー。

スピーカーデフューザー/サイドタップセンサー用の板金

  • thermal pad経由での基板放熱
  • サイドタップ検知用センサーとなる板金の組立
  • スピーカーデフューザー
上記機能を1パーツで実現しているようですね。

アウトサート成形ですかね。

トップ部品

memsマイクやLEDがのった基板がついています。

memsマイク部

memsマイク用のガスケット(粘着剤)と、保護膜部分の動画です。

ファブリック

ファブリックを剥がしている動画です。

他の人のGoogle home mini分解動画

他にも分解している人はたくさんいます。まだまだ見足りないなら、下記からどうぞ。

参考https://www.youtube.com/watch?v=OexI0LzYnVE
↑オーソドックスな分解動画。やはり底面は温めるんですね。アイロンとかファンキーですね笑。

参考https://youtu.be/KOdcv37kzw4
↑オーディオケーブルジャックをつけ、外部スピーカーを繋げられるように改造している。面白いです。

まとめ

自分の分解動画はYoutubeの再生リストとしてまとめました。

Google home mini teardownです。

分解してみて、非常に勉強になりました。

とくにタッチセンサー部分は面白かったですね。

memsマイク部のシールも、やはりこだわっているなという印象です。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (3件)

  • はじめまして!
    素晴らしい記事を拝見させていただきました。
    明日の記事で紹介させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

    • 見ていただき、また紹介いただきありがとうございます。気が向いたらまた他のスマートスピーカーもバラしてみるかもしれません。よろしくお願い致します。

  • ありがとうございました。
    機械系の方とは思えない記事に驚かされました。素晴らしいです。
    次回の更新、楽しみにさせていただきます!!

コメントする

目次