赤外線学習リモコン「Nature Remo(ネイチャーリモ)」の第二世代(2nd generation)である「Nature Remo REMO-1W2」を購入しました。
どんな設計になっているのか気になったので、分解して中身、構造を観察してみました。
- 前半:分解写真と解説
- 後半:分解動画
上記の流れでブログ記事にして紹介したいと思います。
Nature Remo(ネイチャーリモ)を分解し構造を観察する【写真で紹介】
外観にはネジ穴などは見えません。
スナップフィット(ツメ)で、筐体の蓋と本体はとめられています。
分解ツールを隙間に入れて、蓋と本体を分離します。
↑自分はこのような分解ツールセットを使っています。1セットあると、分解時に便利です。
開きました。
左が底側、右が天面側です。
底側の分解を進めます。
基板はタッピングねじ4箇所でとまっているので、ドライバーで外します。
外れました。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の基板(表面)
基板の表面は上記の感じです。
注釈をつけると上記の感じでしょうが、電気的な部分は専門でないので、細かいところはあまり言及しないでおこうと思います。
むしろ、専門の人がいたらコメント欄などでコメントいただけると助かりますね。
Nature Remo(ネイチャーリモ)のWi-Fiモジュール(ESP-WROOM-02)
Wi-Fiモジュールには「ESP-WROOM-02」と書いてあります。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の赤外線放射部
赤外線送出用のLEDが面白いです。
基板上に白いプラスチック部品をぱちっとスナップフィットではめて、そこに赤外線LEDを曲げてのせています。
角度はどれもおよそ45度程度です。
どこに置いても広く放射できるように、工夫がされているのでしょう。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の基板(裏面)
基板の裏面は上記の感じです。
リセット用のタクトスイッチと、電源用のmicro USBコネクタが実装されています。
位置決めピン用の穴、端面からギリギリすぎやしませんかね?
もうちょい余裕ある設計にしても良い気はしますが・・・。
あと、ネジ用の穴も全体的に少しデカすぎる気がしましたが、なんでですかねえ。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の天板側を分解
次は、天板側の分解を進めます。
内側の透明部品に大きな開口部がありますが、これらは基板にのっている赤外線LEDなどの各種センサーが、外界とやり取りするのを邪魔をしないようにする目的でしょう。
白いプラ部品と透明プラ部品は、スナップフィットでぱちっとはまっているだけなので、手ではがせます。
外れました。
右側の透明部品には、まだ部品がついているので分解を進めます。
白色の部品は、ゴム部品です。
透明部品から生えている返しのついたピンにパコっとはめているだけでしたので、剥がします。
少し引っかかっているだけなので、ひっぱれば剥がれます。
ゴム部品が取れました。
さらに部品が取れました。
ゴム部品によって保持されていたので、ゴム部品を外した今となってはただ乗っかっているだけでした。
外れた透明部品の中には、黒と白の紙が1枚ずつ入っていました。
この構造を見た時、はじめ「なぜこんな複雑な構造をしているのだろう?」と思いました。
みなさんも思いますよね?
しばらく考えて見た結果、「LEDの導光を綺麗にしようと試行錯誤した結果、こうなったのだ」と自分では結論づけました。
あくまでも私の推測にすぎませんが、説明してみたいと思います。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の導光設計
Nature Remoは、天面がリング状に光ります。
A-A断面で切ると、ざっくり上記断面図のような構成になります。
ここで、先ほど謎だった部品達は下記のような役目を果たします。
- 透明部品:基板上にのっているLEDの光を、天板の白いプラスチックまで導光する
- 白いゴム部品:透明部品を天板側に固定する。なおかつ、筐体側面などへLEDの光が漏れるのを防ぐ
- 黒い紙:天板のリングの中央部分が光らないように、LEDの光を遮断する
- 白い紙:天板の白プラスチックは、赤外線LEDの透過などを考慮し、非常に薄く作られている。白い紙がないと、黒い紙が外側から透けて見えてしまい格好悪い
なかなか苦労してるなー。工夫してるなーという感じですね。
非常に勉強になりました。
実際に光ると上記の感じになります。
天板だけ外すと、よりわかりやすいですね。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の、全構成部品は上記の通りです。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の構成部品の詳細写真
今後設計する製品の参考になるかもしれないので、構成部品単体の写真も貼っておこうと思います。
天板部品の詳細写真
横の立ち上がり部分の肉厚は1mm程度でした。
上面は、もしかしたら偏肉にしてて、もしかしたらこれより薄い可能性はあるかもしれません。
透明部品にひっかけるために、矢印4辺にアンダーカットがあります。
内スライドの跡もうっすら見えますね。
アンダーカット部の拡大写真です。
内スライドの跡もよく見えますし、わずかにアンダーカットになっているのも分かるかと思います。
詳細はよくわかりませんが、フレネルレンズっぽい加工も見えます。
受光部品用なのでしょうかね。
天板の内側にある透明部品の詳細写真
ジェッティングっぽい跡がめっちゃ見えてるけど、外観部品じゃないしまあ気にしないよねってとこですかね。
白いゴム部品が脱落しない為のピンです。
アンダーカットになってますが、スライド跡も見えません。
無理抜きしようとしたらこんなピン一気にもげるので、それも違うと思います。
よくよく見ると、アンダーカットの部分の形がいびつです。
このピンの他の3本も、よく見たら微妙に形状が違います。
おそらく、普通のピンで成形し、跡加工で先端を熱で溶かす感じでこの形状を作ってるんじゃないかなと私は推測します。
違うかなー。
白いゴム部品の詳細写真
白いゴム部品です。
裏返すとこんな感じです。
LED導光用の透明部品の詳細写真
LED導光用の透明部品です。
イジェクトピンの跡(丸4箇所)がよく見えますね。
導光部分に使われた紙部品の詳細写真
白は光沢感があり、黒はマットな仕上がりです。
厚みは両方とも約0.25mmです。
底面部品(メインボディ)の詳細写真
矢印の6箇所のくぼみには、透明部品の爪が入ります。
これにより、透明部品はパチっとメインボディにとまります。
こちらも、内スライドの跡が見えますね。
先ほどと逆サイドから撮った写真です。
矢印のピンは基板の位置決めピンです。
はじめてこれから設計します!というような設計初心者や新入社員の場合、こういった部分は抜けがち(というか、教えてもらってないと気にしないといけないことすら知らない?)ですよね。
基板の位置決めは、組立性の向上の為にも、しっかり考えるようにしましょう。
側面です。
温湿度センサーもこの近くにいたので、換気口でしょうか。
側面逆サイドです。
両サイドに換気口があることがわかりますね。
一応、風が流れていくイメージでしょうか。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の分解動画
分解動画です。
天板の薄さをわかりやすく表現してみた動画です。
Nature Remo(ネイチャーリモ)(REMO-1W2)を分解し構造を観察する【まとめ】
- シンプルながら、工夫が見られる構造だった
- 特に、導光周りは苦労しているというか、工夫が見られる感じだった
- 赤外線放射用のLEDの角度をつけるために、基板に樹脂部品をスナップフィットで取り付けていたのは面白いと感じた
- 天板の白プラスチックは、(おそらく)赤外線LEDなどの透過を妨げない為に、1mm程度と薄めに作られていた
今回は、赤外線学習リモコン「Nature Remo(ネイチャーリモ)」の第二世代(2nd generation)である「Nature Remo REMO-1W2」を分解し、中身の構造を観察しました。
分解して観察して、色々と勉強になりました。
やはり、市場に出てる製品を実際に見るというのは学びがありますね。
市場投入できるくらいの完成度にはなっているわけですし、参考にできるところはどんどん参考にしていきたいですね。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして。
Nature Remo(ネイチャーリモ)の基板(表面)の「?」になっている部品は
人感センサー(赤外線センサー)だと思います。
https://www.murata.com/ja-jp/products/productdetail?partno=IRA-S210ST01
はじめまして。
情報ありがとうございます!
助かります!